読解力を鍛える方法7選 - 小学生の読解力を伸ばすために保護者ができること

学問の基盤ともいえる読解力。OECD(経済協力開発機構)の学習到達度調査の結果を受け、日本の子どもたちの読解力低下が指摘されたことも注目されました。読解力はどのように伸ばしたらいいのでしょうか。ここでは、小学生の読解力を鍛える方法を紹介します。

目次

  1. そもそも「読解力」とは
  2. 子どもの読解力を鍛えるために親が心がけるべきこと
  3. 勉強を通じて読解力を鍛える方法4選
  4. 日常生活を通じて読解力を鍛える方法3選
  5. 子どもの読解力を伸ばすのに役立つおすすめ習い事
  6. まとめ

そもそも「読解力」とは

2018年にOECDが行った生徒の学習到達度調査(PISA)では、読解力とは「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むこと」と定義されています。

また、読解力は、次の3つの能力に分けて考えられています。

①情報を探し出す
テキスト中の情報にアクセスし、取り出す、関連するテキストを探索し、選び出す

②理解する
字句の意味を理解する、統合し、推論を創出する

③評価し、熟考する
質と信ぴょう性を評価する、内容と形式について熟考する、矛盾を見つけて対処する

読解力は、「読み・書き・そろばん」のなかの「読み」に相当します。算数や理科、社会でも、読むことができないと学習が思うように進められません。

また、読解力が低いとテキスト(文章、文字情報)にアクセスして、適切な情報を選び出すことができず、字句の意味を理解したり、推論したり、内容の質と信ぴょう性を評価することができません。

文科省資料「これからの時代に求められる国語力について」でも、国語力は「学校教育のあらゆる教科や様々な学問の基盤」とされます。読解力は「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加する」能力の育成に必要不可欠な能力といえるでしょう。

 

日本の子どもの「読解力」のレベルは?

OECDが実施したPISAの読解力国際比較(全79カ国・地域の15歳が対象※日本は高1)によると、日本の読解力は下記の通りでした。

【PISAの日本の読解力ランク】

  • 2012年   4位
  • 2015年   8位
  • 2018年 15位

読解力ランクは低下傾向にあり、日本は「情報を探し出す力」と「(情報を)評価し、熟考する力」を測る問題の成績が低下傾向にあることが分かりました。

「OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント」では、以下のように述べています。

・テキストから情報を探し出す問題や、テキストの質と信ぴょう性を評価する問題などは日本の生徒の正答率は比較的低かった。
・自由記述形式の問題において、自分の考えを他者に伝わるように根拠を示して説明することに課題がある。

子どもの読解力を鍛えるために親が心がけるべきことは?

朝日新聞EduAに掲載された、保護者も一緒に学ぶ「読解力養成親子講座」を主催するプライムミッションゼミ代表・早瀬律子さんのお話によると、読解力は、「子ども扱いしない会話」で伸ばすと良いと言われています。

子どもの読解力を鍛える上でもとても有効だと考えられているのは、親子の日常会話をたくさん増やし、文章を読み解く上で重要な語彙力を身につけることです。語彙力は保護者の方が圧倒的に多い知識であるため、日常会話の中で文脈とあわせてたくさん使ったほうが効果的。様々な言葉の用途を理解できる環境で子どもが学んでいくことで、しっかりと意味が定着すると考えられています。

例えば、子どもが小学3・4年生くらいになってきたら子ども扱いをせず、対等な目線で会話をし、ニュース番組の時事問題や、「アイデンティティ」のようなちょっと難しい単語も、リミッターをかけずに普通に使ってみることがおすすめされています。

「どういう意味?」と聞かれたら、辞書の意味をそのまま伝えるのではなく、噛み砕いて説明し、同じことを何度か聞かれても一度で伝わると思わず、穏やかに繰り返し説明することが推奨されています。

勉強を通じて読解力を鍛える方法4選

家庭でも取り入れられる気軽な学習方法をお探しの保護者に、勉強を通じて読解力を鍛える方法を4つ紹介します。

①音読

「中学受験ナビ」に掲載された「アテナ進学ゼミ」の宮本毅さんの記事では、読解力を鍛える効果的な学習法として音読が挙げられています。

人は自分が話している言葉を自分で聞くことによって初めて文字情報を理解できるといわれているようです。声に出して読むことで、文字情報を脳へ送っているのだとか。

②辞書を引く

朝日新聞EduAに掲載された「読解力養成親子講座」を主催するプライムミッションゼミ代表・早瀬律子さんのお話によれば、文章を読み解く上で重要なのは語彙力。知らない言葉が出てきたときに、こまめに辞書を引くようにすると、自然と語彙力が身につくはずです。

③要約する

読み解いた文章の要点を、短く簡潔にまとめることで、どんなことが書かれているのかを理解することができます。

All Aboutに掲載されている学習・受験ガイドの伊藤 敏雄さんのコラムでは「主語と述語を正しく読みとること」が読解力の基礎と言っても過言ではないといわれています。

読解力を高めるトレーニングとして「○○字要約」という方法を紹介されています(○○には10字や20字など数字が入ります)。

④読書メモをつける

月刊ジュニアエラ2021年3月号に掲載された早稲田アカデミー中学受験部・奥村浩祐さんの記事では、読解力を身につける「読書メモ」が紹介されており、情報を整理するためにやるべき3つのポイントが解説されています。

  1. 「最初のメモは体裁を気にしないこと」
  2. 「メモは本当に大事だと自分が思う点に絞ること」
  3. 「時系列は後から整えること」

読書をするときは、メモを取るか、もしくは大事なところに線を引く習慣を身につけると良いそうです。

 

日常生活を通じて読解力を鍛える方法3選

日常生活を通じて読解力を鍛える方法を3つ紹介します。

①新聞・雑誌・コミックなどをよく読むこと

「OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント」によると、読書を肯定的にとらえる生徒や本を読む頻度が高い生徒の方が、読解力の得点が高いことがわかりました。

日本はコミックやフィクションをよく読む傾向があり、新聞、フィクション、ノンフィクション、コミックのいずれも、よく読む生徒の読解力の得点が高いと述べられています。

なにか特定の媒体にこだわらず、文章を読むことを日常的に習慣付けることが、学力アップに貢献すると考えられます。

文科省は、グラフや図表を読む、実用的な文章(新聞や広報誌等)に触れるなどの機会の充実や、語彙の確実な習得(辞書や事典の活用等)、総合的な学習(探究)の時間や理数探究等における論文、レポート等を重視した言語活動の充実などを、学習カリキュラムを作る上で重要視しています。

子どもにとって難しい新聞も、親が読んでいる姿を見せ、子どもが興味を示す記事をピックアップして教えてあげたり、日ごろからテーブルの上など新聞を手の届くところに置いておいたりすることが大切でしょう。

②テーマを決めてディスカッションや対話をする

幼児教育の「こぐま会」室長、久野泰可さんにお話を伺うと、読解力がある子どもは幼児期に「聞く」「話す」体験が豊富だというお話も。親と毎日たくさん会話する子どもは、読解力の元となる「聞く力」「話す力」をどんどん高められるのだとか。

会話をより深めるには、「どうして○○なの?」「そうすると、どうなるの?」と繰り返し聞いて、子どもの意見を引き出すことがポイントなのだそう。

小学校の授業も、「主体的・対話的な学び」にフォーカスした双方向の授業へと変わる動きがあり、仲間とディスカッションし、みんなの前でプレゼンテーションするような場が増えていくと予想されています。

友だちとたくさん遊びながら意見を伝え合う子どもたちは、自然と「対話力」を伸ばし、「読解力」を鍛えていると考えられます。

③博物館で学芸員に話しかける

こぐま会久野泰可室長のお話によると、読解力を培うためには親以外の人とも接する場をつくると良い、とも。

子どもの聞く力、話す力を育てるために、異年齢の人と関わる機会も意識的に増やすと良いそうです。

博物館に行って学芸員の方の話を聞くなど、色々な形で新たな知識を得る機会を増やしてみるのも良い方法でしょう。

子どもの読解力を伸ばすために役立つおすすめ習い事は?

ここでは、子どもの読解力を鍛えられるおすすめの習い事教室を紹介します。

読解力を鍛える「ピグマキッズセレクト ウィズダムアカデミー」

「ピグマキッズセレクト ウィズダムアカデミー」は、習いごと・送迎付き添いサービス付きの民間学童「ウィズダムアカデミー」が運営する、小学生対象の思考力・表現力・記述力を育む教室です。

大手学習塾「サピックス(SAPIX)」が開発した教材を使用し、ただ問題を解かせるのではなく、声をかけながら授業を行います。

まだ長い文章を読み慣れていない子どもたちに、文中の大事な言葉に着目する方法を丁寧に指導。先生との対話や他の友だちの発言も良い刺激になります。

「文章を書くのが苦手」「読書感想文が書けない」などの悩みも、身近な内容を短文で表現する授業で指導し、「自信を持って文章が書けるようになった」という声も。

レッスンは、少人数制で週1回90分、科目は国語・算数。ピグマキッズでは、「論理的思考力」「記述力」が段階的に身につけられます。子どもが楽しみながら自発的に考えられる問題が多くそろっているため、自学自習の習慣づけにもなります。

読解問題には、理科と社会の要素も入っており、子どもの興味や関心が広がるように工夫されているのもうれしいポイントです。

・ピグマキッズセレクト ウィズダムアカデミー
対象:小学1年~4年生
コース&料金:レギュラー会員 9900円/月 レッスン会員 1万1000円/月
※詳しくは教室にお問い合わせください

まとめ

すべての学習の基礎となる「読解力」。勉強だけでなく、日常生活や親子のコミュニケーションからも、その知識や経験を増やし、能力を鍛えていくことができるでしょう。

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